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明るい家
竣工:2021年4月
所在地:東京都港区
主要用途:住宅
構造:SRC造
延床面積:154.14㎡
設計期間:2019.12 - 2020.8
施工期間:2020.10 - 2021.4
設計監理:wyes architects
設計監修:安田結子
施工:青
撮影:加藤純平
色=光のボリュームを考える
都心にあるマンションのリノベーションである。
広いルーフテラスを持ち、リビングに面する大きな窓からは、存分に光が入る。この明るさをどう活かすかが設計の端緒となっている。
改修前は、リビングの明るさに対してキッチンや廊下が暗く、広さがありながらも伸びやかさに欠ける印象をもった。そこでシンプルに、壁や納戸を取り払い、広くて明るいボリュームをつくることにしたが、広いだけでは落ち着かないので、適度なスケール感を持って人が過ごせるように、性格の異なる場所は家具を用いてゆるやかに囲うことを意識した。
例えば、リビングに据えたソファの背面には、マガジンラック付きの家具を製作し、視線は遮らずにダイニングとの境界をつくっている。同様に、ダイニングと廊下は飾り棚付きの家具で仕切りながら、一部の高さを抑えることで、廊下に飾る絵をリビング側からも楽しめるようにした。また窓際には、テラスの高さに合せたベンチ収納を設け、テラスとの一体感を高めている。
またこの家では、それぞれの場所に表情を与えるのに、色も大きな役割を担っている。色は、光を反射し吸収しながら、内部へと光を取り込んでいく。色を使うことで、部屋全体に柔らかく、明るい光が充満することを目指した。
どんな色をどの範囲に使うのか、素材が持つ質感はどの割合で入れようか、検討を重ねた。壁や天井を塗り分けるのではなく、ボリュームを持った家具に色をつけ、素材を使い分けることで、家具も建築と一体となって場所をつくるものになったように思う。
lines of sight —《明るい家》記録写真集 —

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