彩り豊かな食器とエクレアのためのショーケース

カフェと、併設するギャラリーのために、造作家具とインテリアを考えた。
色とりどりのエクレアと華やかなカップが、この家具の主役である。それらがカフェの中や併設するギャラリーにも飛び出して、空間を彩り豊かにする様を想像すると、建築の主役ともいえるかもしれない。いわば、彼ら彼女らの背景をデザインすると考えてみることにして、寸法／色／素材を検討した。
カップが並ぶガラスケースは、宝飾品のショーケースさながら、正面から引き出してカップを取り出せるようになっている。カフェに来た客は、自分の目当てのカップを見つけてお茶をすることができる。厨房の奥に取り付く飾り棚にも、気になるカップやポットが見つかるかもしれない。暗めの色に染めたショーケースとは打って変わって、こちらは鮮やかな水色が、カップの青や白を引き立たせている。
フローリングに目を向けると、落ち着いた色のショーケースや椅子・テーブルとは異なり、白く染めたオークの明るさが、ギャラリースペースまで延びている。ギャラリーはカフェの一部にもなるため、いわゆるホワイトキューブの展示空間にはなり得ないけれども、背景となる建築が、展示する作品の邪魔にならないように、白い壁にしっとりとつながるように床の板も選んでいる。