変化のかけらとその続き 原爆の図丸木美術館 調査の記録/改修計画案
会期:2023年10月7日〜12月10日
会場・主催:原爆の図丸木美術館
助成:野村財団
展示制作・写真:wyes architects
グラフィック:SHIMA ART&DESIGN STUDIO
協力:川田淳、寺田鵬弘、上浪栞、片桐朱梨
マップ翻訳:金出ミチル
原爆の図丸木美術館は、丸木位里、丸木俊(赤松俊子)が、《原爆の図》を展示するために建設し、ふたりの存命中から度重なる増改築を経て拡張と変化を続けた稀有な美術館である。2023年秋、絵画制作の現場であり作家の生活の場でもあった建物を調査しながら進めている改修計画に関して、美術館の小さなスペースで展示を行った。
建物を調査すること。それは、破損や劣化を確認し、改善の必要な箇所を見つける行為であると同時に、建設からこれまでの間に生まれてきた、不可思議なパーツや脆弱なポイント(変化のかけら)も含めて、さまざまな部位に触れ、めでたり、いつくしんだりして、建物の癖を見つける行為でもある。癖をつかんでから、こんどは、作品とともに変化を続けてきた美術館の次なる姿を思い描く。
ちりやほこりに埋もれた時間の層を見つけ出してハイライトして、かつて流れたかもしれない時間に再び接続しながら、美術館が、これからの20年、30年を生き抜いていく姿を表現することを目指している。
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