くもりの家_01

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くもりの家

竣工:2018年7月

所在地:北海道札幌市

主要用途:住宅

構造:RC造

延床面積:87.64㎡

設計期間:2017.12 - 2018.3

施工期間:2018.4 - 2018.7

設計監理:wyes architects

施工:福島工務店

撮影:岩浪 睦 (01, 03~11)、wyes architects (02, 12)

拡散する光を受け止める

北国、特に雪が積もる地域は、部屋に入る光の質が、雪の積もらない地域とはだいぶ異なる。冬は雪に光が反射して、建築は下方からも照らされる。薄ぐもりの時間帯に、上からも下からも同質の光が注ぎ、影が薄くなる状態でもある。この拡散した光を、そのまま内部に満たしたいと考えた。
全体はグレーを基調としながら、部屋に合せて明度を少しずつ変えて、内部にもくもりがずっと続くような、眩しくない明るさを目指した。
高層マンションの場合、柱や梁などの構造体が部屋の中に張り出し、大きな存在感を放つことも多いが、配管ルートや天井高などの要素を整理して、家具と組み合わせることで、躯体の存在感を減じることができる。
薄い色味の木の壁は、玄関から廊下、リビングへとひと続きにつながり、時に家具の扉となり、あるいは部屋を縁取るフレームにもなって、構造体や設備をも取り込みながら、建築と一体となって場所をつくっていく。
くもりの部屋に立ち並ぶ、その杢目と肌理は、ある冬の午後、雪に埋もれる木立の中で見た情景を、思い出させてくれるのではないか。

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